東芝の粉飾決算の今後の行方

【著者】 児山 将




粉飾?不適切会計で投資家を揺るがしている投資家ですが、どうやら大人の事情ですでに上場廃止の可能性は皆無となりつつあるようです。
今後の流れが分かりづらいところもありますので、今回はそれをまとめたいと思います。

まず、問題が発覚したのは、東芝自身が4月初めに「不適切な会計処理の疑いがある」と公表し、決算発表を延期したことです。そして、本来であれば6月末までに提出しなければならない有価証券報告書の提出期限を関東財務局に延長申請し、5月に金融庁はこれを認めました。
これで提出期限は8月末となりましたが、東証の上場廃止ルールでは、「当該承認を得た期間の経過後8日目までに提出しない場合」となっています。
なので、最短の場合は8月末までに決算が固まったとしても、それに監査法人の「適正意見」が9月8日までに得られなければ、上場廃止になる可能性があるのです。

しかしながら、この可能性はほぼ皆無といって良いでしょう。
過去にはオリンパスが提出期限までに報告書を出せずに監理ポストとなりました。しかし、有価証券報告書を提出できずに上場廃止という結果など、誰も望んではいないでしょうし

現状、東証は東芝を特設注意市場銘柄へ移行させる見通しとなっており、各メディアの報道によると第三者委員会は「東芝に対して課徴金を科すよう金融庁に報告する方向で検討に入る」となっております。

これに呼応するかのように、東京証券取引所も「上場契約違約金」の支払いを求める方針だといいます。上場契約違約金とは、上場企業が適切な情報開示を行わなかった場合に支払わなければならない罰金のこと。
監視委員会が処分を決めて金融庁に勧告するのは、早ければ9月のようです。まるで最初から結論が決まっているうえで調査が進んでいるような雰囲気が漂っています。

東芝の上場廃止のタイムリミットですが、最長は特設注意市場銘柄へ移行されてから1年間に処分が決まらなかった場合。この場合、東証が上場すべきか否か議論することになるそうですが、この進み具合を見ていればそこで結論が出る前に東芝の進む先は決まっているでしょう。

上記のタイムラインを並べると以下のとおり。

8月中?:特設注意市場銘柄へ移行
 8月末:有価証券報告書の提出日
9月8日:最終提出日 ⇒ 提出できなければ上場廃止となり整理ポストへ。
 9月内:不適切会計の結論が上場維持、超課金と上場違約金の支払いと決定
来年7月:特設注意市場銘柄へ移行後に改善が見られなければ上場廃止

図にまとめてみると、以下のようになります。

東芝の今後

今回の問題もオリンパス事件同様非常に注目を集めております。

焦点は、委員会や検察、東京証券取引所がガバナンスコードの重要性を認識し投資家の保護のために「市場の秩序」を選ぶのか。
それとも、巨大企業を上場廃止にさせ日本経済に痛手を与えない為の「国益を優先する」のか。

なにか正義かここでは議論致しませんが、「日本では空売りをしても許されるし、粉飾だって認められている」と笑われることだけは避けたいですね。

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参考:粉飾決算「東芝」が上場廃止にならない「奇妙な理屈」

※十分な調査を行い記事を執筆しておりますが、万全の正確性を保証するものではございません。
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