半値、八掛け、二割引き

【著者】 児山 将

この相場格言は、相場が天井を付けた後下落局面に入った時に、底の水準を判断する目安とされる相場の格言です。
高値×0.5×0.8×0.8=0.32で約1/3程度まで価格が下げがというものです。

例)1,000円の株価が暴落し始めた場合
1,000円×0.5×0.8×0.8=320円

特に根拠はないのですが、江戸時代に大阪の薬問屋や繊維問屋で、品物が売れない時の値引きの目安にされていたと言われており、それが米相場でも使われ始めたことがキッカケとされているようです。

あのゴールドマンサックスの使った手法

皆さんは、2011年に起きたオリンパスの損失隠しの事件を覚えているでしょうか。
あの時には、オリンパスの上場廃止も噂されたために、株価は大暴落を演じることとなりました。
その大暴落で利益を出したのが、投資銀行として有名なゴールドマンサックスなのです。

2,400円程度から下落に転じることとなった株価は、彼らの膨大な空売りにも押され、元の値段の約3分の1、高値から32%(794円)まで下がりました。
しかし、そこでほぼ底値に届いたと判断したゴールドマン・サックスは、この格言を忠実に守り空売り買戻しをかけた為に、わずか1ヶ月で20億円の利益を得たそうです。
ちなみに、株価が1,000円を割り込むまでどんどんを売り増しを行い、最大で194万株もの空売りをしたというから驚きです。

オリンパスの暴落に際する底値の計算式
2,482円(元値)⇒1,241円(半値)⇒993円(八掛け)⇒794円(二割引)

オリンパス(7733)

オリンパスをめぐる騒動の発端は2011年10月14日、マイケル・ウッドフォード氏(51)が突如、社長を解任されたことから始まりました。
何故か、ゴールドマンサックスは前日の13日にオリンパス株を約83万株空売りしています。つまり、その時点で同日の終値2,482円で計算すると、約20億円の売りを一気に仕掛けてきたことになります。

※空売りとは株式を保有せずに、他の証券会社から借りてきて売却することです。
株価の下落が予測されるときに使う売買手法で、値下がりした時に買い戻すとその差額が利益となります。

東京証券取引所が公表している証券会社などが空売りした銘柄や株数の残高によると、ゴールドマンサックスは13日以降は一定程度買い戻しをしていながら、空売りを増やし続けていたようです。

こういった売買の背景には、ある国内証券マンによると「ウッドフォード氏が経営陣を告発するのを聞いて、事態は深刻ということで、どんどん売りを増やしていった印象だ」と解説したようです。
不透明感から、事態の終わりが見えるまで売られ続けるという相場だということをいち早く見抜いたということですね。

そして、オリンパスが損失隠しを認め、株価がストップ安の734円まで下落した11月8日の時点で、同行によるオリンパスの空売り残高は194万株とピークに達しました。そして、翌9日の時点で残高は4万株強にまで一気に激減しました。この時点で株価は584円まで下落しています。この時点で、空売りの98%を買い戻したということになります。

ざっくり上値を2,000円とすると下値は640円。投資の基本に忠実に買い戻したとも考えられる」という。

その後株価は11日(月)には460円まで下げましたが、週明けの14日には上場維持観測が広がったことからストップ高となる540円まで暴騰しています。
つまり、ゴールドマンは暴落前に空売りを入れて、底打ち直前に買い戻し、「頭は食べて、尻尾だけくれてやった」ということになります。

最終的にこの間の損益を終値ベースで計算すると、オリンパスを空売りした額は約40億円、一方で買い戻した額は約18億円となります。実際には、オプションや現物株式の買いなどを組み合わせている可能性も相当あり、そう単純ではないのですが、空売りと買い戻しに限れば差し引き約22億円の利益と計算できる。(実際にオプションでも利益を得ていたり、途中の買戻しなども含めるともっと膨れ上がることになります。)

暴落相場には、
「株価の下値目途はまず半値、次は八掛け、最後に二割引き。」
以上の相場格言を参考にされてはいかがでしょうか。

top