トランプ大統領の誕生で株価はどうなる!?

【著者】 児山 将

半年前に誰がこの展開を予想したでしょうか。

当時は『トランプ氏の出馬はアメリカの盛大なギャグ』などと言われていましたが、気がつけば共和党の候補となり、一部の支持率調査でヒラリー候補を逆転するほどの猛追をみせています。

その度に株価は下落し、ドル円は円高に動いてきました。

市場では
ヒラリー候補の当選=株高・円安
トランプ候補の当選=株安・円高というコンセンサスができあがっております。

ただ、事前の当選確率予想では依然としてトランプ候補の勝率はかなり低い状況。

「天才統計学者」の異名を持ち、ネイト・シルバー氏が予測する『538(ファイブサーティエイト)』では、大統領選挙のそれぞれの当選確率は、クリントン氏が86%、トランプ氏が13%となっています。

538
(出所:fivethirtyeight

同氏は、2008年の大統領選挙をほぼ完ぺきに予想し、2009年には米タイム誌の「世界で最も影響力がある100人」の1人に選ばれるなど、かなり期待が持てる予想です。

支持率では、やや負けているに過ぎないトランプ候補も、ブレグジットのような逆転劇を描くことは難しいのでしょうか。

トランプ候補の当選で日本株はどうなる?

日本人として気になるのは、日本株はどうなるの?ということ。

今回、当日の株価下落・円高要因となるのはもちろんトランプ氏の当選でしょう。

筆者はトランプ氏が当選しても、意外に大したことは起きないと考えているのですが、ここを日経平均でみてもう少し掘り下げてみたいと思います。
参考:トランプリスクは根拠なき幻想。むしろヒラリー大統領の方がハイリスク!?

さて、記事執筆時点での日経平均株価は17,200円、ドル円は104円台半ばで推移。
ここを基準に分析したいと思います。

まずは管理人の予想よりも、プロの目線から。

想定外の株高も? トランプ大統領は吼えるがリスクオンは進む=長谷川雅一

トランプ氏が当選すると、日経平均株価は1000円~1500円ほど下落するという意見が多くあります。

ブレグジットの際に日経平均先物のサーキットブレイカーが発動したことから、経験則と感覚的にこの値が出たものと考えられます。

筆者もだいたい同じ意見ですが、ブレグジットとは今のところリスク度合いが軽いとみています。

英国のEU離脱はユーロにとって紛れもないリスクであり、世界各国の貿易や英国の分裂の可能性を秘めたものでした。

英国の株価は投票結果が出た日に急落してスタートしたものの、他の株式市場を横目にいち早く上昇。4か月経った今では、英ポンド安の恩恵で経済はそこそこ好調に推移しており、英国の主要株価巣指数であるFTSE100はここ数年間の高値まで上昇しました。

■英FTSETM100指数
FTSE100

では、今回の大統領選挙はどうでしょうか?

しかしながら、先のトランプリスクの記事でも解説した通り、トランプ氏の経済政策は米国にとって有利に働きインフレ率の上昇となりそうです。

もちろん、政治経験がないということは不利な面が多く、特に外交面の不安は否めません。

ただ、実際に大統領に就任するまでの期間はセーフティーゾーン。
この期間は、英国の国民投票と同じように、リスクを織り込むのは選挙当日までで、実際に当選するまでは英国の株価のようにドル安と経済政策への期待、ねじれ議会の解消で株価は上昇へと転じるのではないでしょうか。

また、ヒラリー候補の当選では、薬価引き下げ問題があった為に、製薬・バイオ関連株を中心に反発上昇を見せそうです。特に、ここ半年間鳴りを潜めていたマザーズの巨人、そーせいグループ(4565)が大きな上昇を見せそうです。

結論、筆者はトランプ氏が当選した際に日経平均株価は約800円程下落するものの、11月10日には底をつけ反発上昇に転じ12月半ば頃に18,500円付近に上昇するとみています。

以下の為替の見解と合わせてご覧ください。

為替相場

為替に関しては、ブレグジットの際にはポンド安になることから、ポンド円が売られ、結果的にドル円も強烈売られることとなりました。
今回のメインの通貨ペアはドル円となりそうですが、どうでしょうか。

事前予想では、ドル円95円という予想もありましたが、発射台が104円と随分と上がってきました。

トランプ氏は、日銀の金融緩和による日本の円安を恐ろしく批判していますので、円高に動くのは間違いないでしょう。

しかし、米国は利上げターンに入っています。
ゆっくりでも、確実に米国の政策金利・10年債利回りは上昇してきております。これはボディーブローのようにドル高要因になります。
日本は貿易黒字ですので、これは円高要因ですが、年末までと期間を区切ることと、大統領選挙後の毎回の世界的ドル安の巻き戻しを考えると、そこそこ円安方向に進みそうです。

選挙後にドル円は12月14日のFOCMの利上げに向けて堅調に推移すると思われることから、日本株も底堅い動きとなるのではないでしょうか。

結論として、トランプ氏が当選した場合は102円程度の下押しが考えられるものの、その後は1ヶ月ほど掛けて107-108円程度の円安方向へ上昇していくのではないでしょうか。

ドル円が107円まで上昇するれば、日経平均株価は18,000円乗せは達成しそうです。

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