4月以降の相場展開とリスクを考えてみた

【著者】 児山 将



マーケット
1年前と違い2016年のマーケットは混迷を極めています。

12月の日銀では日経平均が高値から1,000円の暴落となり、意図していなくとも『政策変更なんてやらなければ良かった』状態。

年末には英国のEU離脱の現実味が増し、それにより欧州での投資が抑制されリスクオンに。
年初からの中国株の暴落で勘違いしたエセ経済記者が『チャイナショック』だと煽るなか、米国の利上げ期待が後退しドル円が下落し、日経平均の下落に拍車がかかるという負のスパイラルに突入。

やや持ち直したところで、マイナス金利を導入し再び日本市場は下落に転じました。
なんとか下げ止まりを見せてきたところで、今度はドイツ銀行のデリバティブを大量保有していてリーマンショックの比ではない事態に陥るのではないかという憶測がマーケットを駆け巡り、日経平均株価は15,000円割れ。NYダウは2015年の安値に迫るところまで下落しました。

意外にも事件は起きずに行って来い相場

しかし、その後は日本株の騰落レシオやPERでみるとさすがに割安だとリバウンドに。ドイツ銀行も債券の買戻し余力があることを公表し、欧州の銀行株を中心に反発。
そんななか、2月に発表された米国の経済指標が良いものが続き、ドル高の改善から企業収益の改善期待が台頭。NYダウは2,000ドル以上も切り返し、最高値まで400ドルほどに迫るまで回復しました。

ECBは期待以上の追加緩和政策を発表し、原油価格の上昇という後押しもあり、欧州株は年初からの下落の半値以上に上昇する展開に。

カギを握る消費税増税の延期

そんななか、政府はクルーグマン・スティグリッツ氏のノーベル賞経済学賞受賞者を招いて国際金融経済分析会合を開催。

当然彼らは消費税増税延期を唱え、政府は著名人のお墨付きをもらい増税を延期し、メンツを保つといういかにも先が読めそうなことをやっています。

一説によると、安倍首相は周囲に『消費税の8%の増税は失敗だった。』と漏らしているとか。過去のデータを見ても、増税をすると個人消費が下がり税収が落ちる。GDPも下がるという全く持って良いことはありません。

その会合の真っただ中、若干の増税期待で日本株も暴落幅の半値まで上昇してきたものの、麻生副総理の『消費税増税は予定通り』との発言が冷や水に。

17,200円まで上昇していた日経平均を600円ほどなぎ倒し、17,000円前半を越えられずにいる状態となっており、日本市場だけが後れをとってしまっています。

為替の方でいうと、ドル円は111円でダブルボトムを付けた後に、安値を更新。しかし、急遽4月のFOMCでの利上げ期待が台頭し結局反発してきています。

これまで利上げが遅すぎて失敗したといわれている米国ですから、現在の消費者物価や雇用の状態を考慮しても、個人的には4月の利上げも十分あると考えています。

米国の企業決算でいうと、原油価格が回復傾向にあることと、主要貿易国であるEU、カナダ、メキシコ、日本の通貨に対して5%以上のドル安となっていますので、先行きはやや明るい状態。

以上のことから、日本株は米国・欧州市場と比較して弱いものの16,000円話割り込まずに18,000円を目指すものと考えます。

今後のリスクは中国と英国

では、今後の相場を折るリスクはなにか。
大きくは中国企業の倒産の多発と、英国のEU離脱が考えられます。
中国バブル
全人代で李克強首相が滝汗を流しながら演説し、習近平国家主席は全くフォローしないという中国当局のガタガタ感が明らかになってます。

国家のトップが公の場であれほどまでに動揺を見せるということは、中国の実情は超ヤバイと言ってる様なものです。問題は、それが表に出るかどうか。GDPは国家主計なので分かりませんが、企業の倒産は隠蔽できません。倒産させずに休眠会社としても、ロイターやブルームバーグなどのメディアがそれを伝えあっという間に広まるでしょう。

今のところ、大規模な経済対策を行っているのでしばらくは大丈夫かと見ていますが、得てしてこういう材料は他がとても良い時か悪い時に出てくるものです。

そう考えると、NYダウが高値を更新した時や、英国のEU離脱で相場が大きく動いた後、もしくは日本の選挙後が可能性が高くなります。

英国のEU離脱を問う国民投票は6月23日に開催されます。
市場は不透明なことを嫌いますし、こういった政治的要因で材料を事前に100%織り込むということはほぼ皆無です。

ということは、結果がどうであれ非常に大きく動くことになります。
今のところ、予想はほぼ僅差となっておりどちらに転ぶか誰にもわからない状態。もし離脱するとなれば、欧州市場を先導に10%ほどは軽く下落に転じると思われます。

しかし、離脱とならなかった場合はかなりのハッピーシナリオです。
2015年末より、欧州の企業はこの国民投票があるために投資を控えていました、ということは、英国がEUに留まると決まった時点で相当な株価の上昇が始まると期待できます。NYダウの史上最高値更新はもちろん、英国・ドイツの株価の急騰。日本株も選挙に向けて明るい兆しがあり、ドル円が落ち着いていれば1万9千円台に突入するほどのインパクトがあると思われます。

こう考えてみると、夏以降の相場はどうなるか分かりませんが、目先数か月間は意外にも楽観的に描けるのですが、いかがでしょうか。

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