なぜマクドナルドの株価は下がらないのか?

【著者】 児山 将

皆さんご存知のマクドナルド!

同社は中国の食肉問題やチキンナゲットの消費期限切れや異物混入などこの数年間でネガティブニュースを挙げればキリがないほど悲惨な状態になっています。
10月時点では、既存店売上高は客数が29カ月連続減少し赤字。店舗数を見てみても、今期は出店10~20、退店190とものすごい勢いで減少しています。

業績は赤字のままであり、来年も80億の赤字見通しと、赤字幅は縮小する見通しだというものの依然として先が見えてこない状態です。

しかし、驚くべきことにマクドナルド(2702)の株価は年初来高値を更新してきたのです。

マクドナルド

『こんなに業績が悪いのになぜ株価が下がらないのか?』という意見は以前からも多いですが、元飲食店店長としてもマクドナルドの株価の謎を追っていきたいと思います。

業績不振でも年初来高値を更新

業績が悪いのに株価が上昇する理由としては、

1.オーバーシュート(下げ過ぎ)の反動上昇
2.悪材料出尽くし

の2つがあります。

しかし、そもそも株価は下げていないのでオーバーシュートは考えられません。

そして、業績見通しが1年後には回復するとはいえ赤字見通し。相変わらず、カサノバ社長の評判も良いものとは思えず、マクドナルドらしい低価格で魅力のあるメニューの投入も平日昼限定の割引メニューは廃止。
価格統一に際して、全国の商品ベースで25%の商品が値上がりとなります。

最近のマクドナルドのCMを見て久しぶりに好感を持っていた管理人は、この発表をみて再び残念な気分になりました。



株価が下がらないケースといえば、株主の95%以上が個人投資家のカゴメ(2811)があります。もしや、マクドナルドもそれか!?と思い株主構成をチェック。

マクドナルド株主構成
(参考:日本マクドナルド


ビンゴ!
なんと、浮動株が少ないのです。50%以上はマクドナルド側が持っており、上場市場がジャスダックの為機関投資家の保有も少ないと思われます。

そして、約41%が個人投資家が保有しているというのですが、恐らくこの大きな目的が株主優待だと思われます。そういえば、専門学校時代の先生も大学の教授もマクドナルドの株を保有していました。(二人とも塩漬け中)

マクドナルドといえば、日本の飲食店の売上高の3%を占める規模を誇り100人が100人認知している存在。おまけに30万円以下で購入でき、株主優待も魅力であることから株式投資初心者が最初に購入するであろう株として考えられます。

そして、長期保有で保有している人も相当多いはずです。複数の記事を読んでいくと、驚くべきことにマクドナルドの個人投資家は27万人もいるそうです。

なるほど、これで下がらない訳が分かりました。

では、なぜ上がったのでしょうか。
これには、『買った』ではなく『売り方の買い戻し』の線で見ていきましょう。

マクドナルドの中間決算発表は8月12日。相次ぐ不祥事で決算内容が悪いと見て、7月末あたりから空売りを入れている投資家は多かったのではないでしょうか。
それ以前にも6月25日から株価は下げているので、このあたりから空売りが膨らんできたとしたらどうでしょうか。

なかなか下げない株価に嫌気がさし、しかも日本株は2万円に近づく上昇相場へと切り替わってきました。マクドナルドの空売りを止め、他の銘柄に乗り換える投資家が増えても不思議ではありません。

11月6日時点でマクドナルドの信用買い残は11万株。対する空売り残は356,000株あります。少し長めのデータを見ても、信用買いは増え、空売り比率は減少していることが分かります。

さらに、10月から盛り上がってきた日本郵政の上場も、この上昇に一躍買っているのではないでしょうか。
この上場に際して、郵政3社を買った40%の個人投資家は初心者だといいます。これには、営業マンの頑張りがあり、休眠しているNISA口座や新規の投資家の資金が大きく動いたといえます。

初心者投資家はとにかく話題になっている銘柄や認知度の高い銘柄を買いたがる傾向にあります。
3月には大塚家具、5月には東芝が初心者投資家さんに一番人気の銘柄でした。
となれば、日本郵政の上場前に口座開設をした投資家がマクドナルドを買ったと考えてもおかしくないでしょう。

元々、市場に流通している株はあまりないのです。
そこに空売りの買戻しと新規マネーが流入すると数%ほどは簡単に上昇してしまうでしょう。また、自分が数億円保有しているとすれば、上昇相場に乗じて空売り玉を狙って買い仕掛けるというトレード戦略も考え付きます。

夏には超優良企業であるイオン(8267)も空売りが非常に多く、その踏み上げもあり上昇短期間で株価は30%ほど上昇しました。

イオン8267

あくまで憶測の域を越えませんが、以上がマクドナルドの株価が年初来高値を更新した背景だと分析しました。

この上昇が長く続くとは思いませんが、『悪材料が多いのに下がらない相場は買い』というロジックが成り立つ例の1つですね。

管理人が大田区池上に住んでいた時は巨大な1号線沿いのマクドナルドが大人気でスタッフも良い人が揃っていました。近くのコンビニでたまに会うエリアマネージャーさんはとても良い人で、朝8時にもなればお店は満員になるほどでした。

元々あまりマクドナルドに行かない管理人も、2ヶ月に一度ほどは行っていましたが、不祥事問題もありすっかり足が遠のいてしまいました。

個人的な意見ですが、カサノバ社長が顧客のニーズを理解できていないばかりか基本的なQSC(品質・サービス・清潔)ができていないのだとみています。
また、あれほど不祥事が起きるのは、会社全体の空気が緩んでいないとそう起きるものではないと思います。

新メニューや価格改定などよりも、まずは基本的なことに目を向けていってほしいですね。

マクドナルドの株価のターゲットは

11/16:追記
ツイッターでもつぶやきましたが、個人的にマクドナルドの目標株価?は3000円前半だとみています。

なぜかというと、この価格はちょうどマクドナルドと同じ職種のモスフードサービスの株価と一致するからです。
モスバーガー
好調な時価総額は違うものの、大赤字のマクドナルドの株価が好調なモスバーガーの株価を抜いてくると、さすがに違和感があるのではないでしょうか。

マックの株価が3,000円に乗った時に最後の急騰を演じた後急落。結局、元の株価に戻るのではないでしょうか。

ちなみに、米国のマクドナルドの株価は5年来の高値を更新しています!
米国マクドナルド
(参考:SBI証券

頑張れ、日本マクドナルド!

2016年2月23日:追記

現在のマクドナルドHDの株価をご覧ください。
マクドナルド

日経新聞が12月22日に「米国マクドナルドが約5割を握る日本マクドナルドホールディングス株の売却に向け、大手商社や国内外の投資ファンドに打診を始めたことが21日わかった」と報じたことにより、株価は急落。

最大株主がいなくなるという不安材料が約8%もの急落を引き起こしました。

報道によると「最大約33%分を売却する方針で、譲渡先は筆頭株主として経営の主導権を握る可能性がある」という。米マクドナルドの株売却による経営環境の変化などを懸念する売りが向かった。

2月現在、この騒動は落ち着いていませんが上に記載した通り、3000円に乗った後に急落し、結局元の株価(2,600~2,700円)に戻るということとなっています。

今後もマクドナルドから目が離せませんね。

ポケモンGO関連銘柄に

2016年7月から米国をはじめとする海外で大ブームとなっているスマホゲーム『ポケモンGO』。

マクドナルドでは、店舗でユーザーがアイテムを獲得できるサービスを提供するほか、ほぼすべての店舗にゲームのジムを設置。多くのプレイヤーがジムを訪れて対戦できる条件がとなり、いわばポケモンGOのバトル会場と化すことが狙いの様です。

これが報じられると、マクドナルドの株価は急騰!

マクドナルド株価

マックらしさを取り戻し、売り上げも回復しているところに最高のニュースが飛び込んできました。

2016年はポケノミクスとともに、マクドナルド復活の年となりそうですね!

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