PTS(私設)取引とは

【著者】 児山 将

株式取引には、株式市場が閉じている夜間に取引できるシステムがあります。
夜間取引や時間外取引と呼ばれ、東証や名証が開いている時間外に取引を行うことができるというものです。

時間外取引の参加者はメイン市場に劣るものの、企業の業績発表後や海外市場で相場を動かす材料が出た際に、この取引を利用することができると非常に便利です。

PTS取引とは

夜間取引と呼ばれているこの取引の正式名称はPTS取引といいます。
PTS取引は、証券取引所を通さずに株式を売買することができる取引システムのことをいいます。

PTSとは、Proprietary Trading Systemの略称で、これを日本語訳すると私設取引システムとなります。

PTS取引は、証券取引所が開いていない夜に株式の売買が可能なサービスですが、実際のPTSでは、取引所が開いている日中でも証券取引所以外のPTSで取引ができるようになっています。
また、PTSでは証券取引所が開くより早く売買が開始されます。

しかし、投資家は日中は売買代金が多く取引し易い証券取引所で売買し、夜間はPTSを利用します。そのため、PTS取引が夜間取引や時間外取引と呼ばれるようになりました。しかし、現在はPTS取引と呼ばれることの方が一般的のようです。

例)PTSでソフトバンクは6,500円をつけている。

ジャパンネクストPTS

このPTS取引は、SBIジャパンネクスト証券が運営しているジャパンネクストPTSという取引システムです。

2016年3月現在、PTSを利用できる証券会社はSBI証券のみです。
PTSで注文を出すと、この『ジャパンネクストPTS』に取次がれます。

さらに、ジャパンネクストPTSの市場にも2つの市場が存在します。第1市場のJ-Marketと2012年よりサービスが開始された第2市場の※X-Marketです。
PTS新規注文入力画面から発注されたPTS注文は、J-Market市場へ発注されます。
(※X-Marketが今どのような状態にあるのかは不明)

通常の株取引は東京証券取引所などを介して行いますが、ジャパンネクストPTSでは、SBIジャパンネクスト証券が独自に作った私設取引システムにて取引が行われているのです。
そのため、東証でシステムトラブルなどの理由で売買が停止した場合にも、PTSで取引ができるはずです。

PTS取引の時間帯

SBI証券で利用できるPTS取引の時間帯は、午前8時20分~23時59分です。

そのなかで取引時間は以下の2つのセッションに分かれています。

8時20分~16時00分:デイタイム・セッション
19時00分~23時59分:ナイトタイム・セッション

セッション間の16時1分~18時59分の約3時間は取引を行うことができません。

PTS取引の売買代金

PTS取引では、東証などの巨大市場と比べるととても小さなマーケットです。
そのため、売買代金もそれらと比較するととても小さなものになります。

トヨタ自動車なやソフトバンクグループのような銘柄では、PTSでも何億円もの売買がありますが、通常の取引所で売買代金が1億円を下回るような銘柄はPTSでの売買が成立しないことも多々あります。

また、取引所が閉まった15時以降に大きな材料が発表された銘柄には、PTSでも10億円近い売買代金を誇ることもあり、翌日以降の取引での盛り上がりや明日の寄り付き価格の参考になります。

ジャパンネクストPTSのサービス概要

サービス 内容
取引時間 デイタイム(8:20 ~ 16:00)
ナイトタイム(19:00 ~ 23:59)
取扱銘柄数 東京証券取引所の上場銘柄(約4000銘柄)
注文方法 指値注文(成行注文は使用不可)
売買価格の決定方法 ※顧客注文当体方式
利用口座 普通・特定・NISA口座
利用端末 PC・スマホ対応
取引区分 現物取引のみ

※顧客注文当体方式とは、投資家の提示した指値が取引の相手方となる他の投資家の提示した指値と一致する場合に、売買が成立する方式です。

取引所取引と同じく価格優先の原則及び時間優先の原則が適用されますが、板寄せや比例配分等は行われません。

PTS取引のメリット・デメリット

PTSの大きなメリットとしては、もちろん取引所が閉まっている時間帯に株式の売買ができることです。

現在、ネット証券で唯一PTSを提供しているSBI証券では、夜間(夜の7時~深夜23時59分)まで株の売買をすることができます。

そのため市場の引け後に高決算が出た場合に、PTS市場でいち早く購入できたり、保有銘柄がストップ安になった場合にPTS取引で売買が成立し逃げるなどができることは、大きなメリットと言いえます。

PTS取引の手数料

PTSは実は取引手数料が有利なのです。

SBI証券のPTS取引の取引手数料は、通常よりも5%ほど安く設定されています。

1注文の約定代金 PTS取引手数料 取引所取引手数料(スタンダードプラン)
~10万円 132円(税込142円) 139円(税込150円)
~20万円 176円(税込190円) 185円(税込199円)
~50万円 259円(税込279円) 272円(税込293円)
~100万円 462円(税込498円) 487円(税込525円)
~150万円 553円(税込597円) 582円(税込628円)
~3,000万円 876円(税込946円) 921円(税込994円)
3,000万円超 924円(税込997円) 973円(税込1,050円)

PTS取引のデメリット

PTSのデメリットについては、やはり市場参加者が少ないことによる売買代金の小ささです、
加えて、指値注文しか行うことができませんので、いつも成行注文を中心にで取引を行っている人は扱いづらいかもしれません。

また、時に取引終了後に大きな材料が出た銘柄がPTSの開始後に大きく買われることがあります。しかし、実際に翌日市場が開いてみるとPTSの終値より大きく下がっていたりすることがあります。
その逆もあり、PTSで盛り上がらなかったわりに翌日の市場では翌日から大きく買われるということもあります。

これらは銘柄ごとのクセや材料にも関係してきますので、PTSで大きな取引を行うのは取引が慣れてきてからの方が良いと思います。

夜間取引・PTS取引ができる証券会社

2016年3月現在、個人投資家が参加できるPTS取引を扱っているのはSBI証券だけです。

過去には、楽天証券マネックス証券など11社がPTS取引所に繋いでいたようですが、なぜかSBI証券のみとなってしまっています。

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