証券会社とは

【著者】 児山 将

証券会社とは株(有価証券)の販売、引き受け、仲介などを行う企業のことをいいます。

みずほ証券総合証券と呼ばれる野村證券や大和証券などの他、2000年以降には店舗を持たないSBI証券などのネット証券が現れました。

日本では金融商品取引業者のうち第一種金融商品取引業を行う企業を指し、有価証券関連業として定義されています。

なお、第一種金融商品取引業の登録要件は以下。

1.株式会社であること
2.資本金5,000万円以上であること
3.自己資本比率が120%以上であること。
4.その他、人的構成や主要株主規制などがありる。

証券会社の業務

具体的な証券会社の仕事は以下の4つ。

・自己売買、 ディーリング業務(Dealing)
・売買仲介、ブローカー業務(Brokerage)
・引き受け、アンダーライティング業務(Underwriting)
・売り捌き、 セリング業務(Selling)

これを全て扱える証券会社のことを『総合証券会社』といいます。

自己売買、 ディーリング業務

自己売買業務とは、その名の通り会社の資金を使い株式、債券、為替、ファンドなどを売買し利益を上げることを目的とした業務です。

野村證券のディーリングルームなどはしばしばTVでも放送されています。
1人当たり4台~8台のモニターを使用し、多くの金融商品の価格を監視しながら売買しています。

デスクにはロイター端末、ブルームバーグ端末といった高度な情報配信システムが備え付けられており、取引に関する世界中のあらゆる情報が直ぐに取得できるようになっています。

売買仲介、ブローカー業務

売買仲介業務とは、株を買いたい・売りたいという人の注文を受け付け、証券取引所に繋ぐ業務です。

店頭で株の発注を行ったり、ネット証券を利用して株の売買を行う場合がこれに当たります。

売買の仲介の際に受け取る手数料が、証券会社の収入となります。

古くは、今はみずほ証券となっている玉塚證券と山叶證券は1891年から営業を開始。日本最古の証券会社はあかつき証券のようです。(参考:あかつき証券|沿革

いわゆる『株を売る』という証券会社の本業といえるでしょう。

引受/売出し、アンダーライティング業務

アンダーライティング業務とは、株式会社が株式、債券、社債などを新たに発行するとき、売り出すことを目的として証券会社が全部または一部を引き受ける業務を引受といいます。

万が一売れ残ったときは、証券会社が責任をもって引き取ることになります。
企業は発行したそれらを証券会社が引き受けてもらえるので、確実な資金調達が行えます。

また、既に発行された株式などを対象に行う業務を売出しといいます。株式会社が新規上場する場合、大株主が5%程度の株式を売出しますよね。

ちなみに、この相手先として50人以上でないといけないそうです。

募集・売り出しの取り扱い、 セリング業務

証券を多くの投資家に買ってもらえるように勧誘する業務です。
これを行う人は、証券外務員という資格を持っていないと行うことができません。

いわゆる証券マンという営業マンがこれにあたります。

日本の主要な証券会社

ここからは、日本にはどのような証券会社があるかみていきましょう。

大手証券

個人・法人向け営業からディーリング業務までフルサービスを提供する総合証券。
世界各地に海外拠点を持ち、グローバル展開を図る大企業です。

会社名 備考
野村證券 野村ホールディングス傘下。日本最大の証券会社
大和証券 大和証券グループ本社傘下
SMBC日興証券 三井住友フィナンシャルグループの一員
みずほ証券 みずほフィナンシャルグループ傘下
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 三菱UFJフィナンシャル・グループ完全子会社

グローバルコーディネーターとなる資格のある証券会社。

準大手証券

大手と同様に総合サービスを提供するもののリテール重視の経営形態であり、日本全国に支店網をもつ。
大手証券と差別化を図るため、独自色を出す傾向がある。

会社名 備考
岡三証券 岡三証券グループの中核会社
東海東京証券 東海東京フィナンシャル・ホールディングス子会社
SMBCフレンド証券 三井住友フィナンシャルグループ傘下

岡三証券は対面営業を主要業務とし、東海東京証券と同じく法人部門やネット証券、投信運用会社、海外拠点など総合証券会社として多くの機能をもっている

一方、SMBCフレンド証券は海外拠点からの撤退や法人部門の縮小。既存の店舗を閉鎖し、グループ内銀行の支店内に拠点を設けるなどグループの経営資源を活用。より対面リテール営業に特化する傾向がある。

中堅証券

会社名 備考
岩井コスモ証券 岩井コスモホールディングスの完全子会社
丸三証券 会社名の由来は創業者が三人だったことから
いちよし証券 カカクコム、メディアドゥの主幹事を務めた
東洋証券 広島で創業 中国株に強み
極東証券 保守的富裕層向けの対面営業に特化
水戸証券 茨城県水戸市が発祥地

リテール重視の経営形態であるが、大手・準大手と異なり支店網に地域的な偏りがある。そのため地元密着を売りとした営業をとっています

中小証券

リテール営業が中心で、特定の得意分野に注力し、他では扱わない金融商品を採り扱う傾向があります。

会社名 備考
あかつき証券 旧黒川木徳フィナンシャルホールディングス株式会社
高木証券 野村ホールディングスの関連会社
エース証券 2011年に丸八証券株式会社を連結子会社化
内藤証券 ネット取引と中国株取引に主力
藍澤證券 関東を地場とし外国株の取扱に力を入れている
光世証券 光世(こうせい)証券 本店は大阪
エイチ・エス証券 大手旅行代理店・H.I.S.の創業メンバー澤田氏が買収
日の出証券 大和証券グループ
日本アジア証券 日本アジアグループ子会社
明和證券 創業者の小林光次氏は初代東京証券取引所理事長

地場証券

地元に密着した証券会社であり、地縁を生かした営業活動を行っている。
ただし、株式売買委託手数料が自由化されて以降、インターネットによる株式取引の活発化等で収益力が低下している。
このため、これまで収益の多くを占めていた株式から投信売買に営業の比重を移したり、自己売買に注力して収益力の強化を図っている。

地域 証券会社
東京 三晃証券、日産センチュリー証券、アーク証券、立花証券、リテラ・クレア証券
大阪 廣田証券、ひびき証券、永和証券
京都 西村証券、丸近證券
愛知 安藤証券、丸八証券、豊証券、木村証券、野畑証券
兵庫 光証券
新潟 岡三にいがた証券、新和証券
栃木 宇都宮証券
奈良 奈良証券
北海道 上光証券
山形 山形証券、荘内証券
群馬 富岡証券
埼玉 むさし証券
富山 島大証券
石川 今村証券、竹松証券
福井 益茂証券
広島 八幡証券
香川 香川証券
愛媛 二浪証券
熊本 大熊本証券
沖縄 おきなわ証券

インターネット専業の証券会社

1999年の株式売買委託手数料の自由化により、1998年の松井証券を皮切りにインターネット取引のみの店舗を持たない証券会社が登場した。
店舗費や営業マンの人件費などが不必要なことから、低コストで機動的な運営ができることが特徴。そのため売買手数料が安くできる。

インターネットの普及とともに、大手銀行や商社、外資系証券に加え、証券業界最大手の野村證券も参入するなど、競争が激化。次第に撤退や合併が相次ぐこととなった。

参考:ネット証券と総合証券の違い

証券会社 備考
SBI証券 2007年より対面営業へ進出 ネット証券最大手
楽天証券 口座数は80万、預り資産は1兆円を超え
GMOクリック証券 GMOクリックホールディングスの子会社
カブドットコム証券 三菱UFJ証券ホールディングス傘下
松井証券 ネット専業の証券最初の証券会社で、最初に上場
マネックス証券 CEOは元ゴールドマン・サックスの松本大
岡三オンライン証券 岡三証券グループ傘下
ライブスター証券 レオス・キャピタルワークス等のISホールディングス傘下
DMM.com証券 FXとCFDのみの取り扱い
サクソバンクFX証券 アストマックスFXを買収し、日本に参入
IG証券 FX・CFDのリーディングカンパニーであるIGグループ

地銀・ネット銀行系証券会社

会社名 備考
新潟証券 第四銀行グループ
常陽証券 常陽銀行の完全子会社
ちばぎん証券 千葉銀行グループ 元山一證券傘下
浜銀TT証券 横浜銀行と東海東京フィナンシャルHDの共同出資
静銀ティーエム証券 静岡銀行、三菱東京UFJ銀行の共同出資
八十二証券 八十二銀行グループ 旧アルプス証券
百五証券 百五銀行の完全子会社
中銀証券 中国銀行の完全子会社 津山証券
ひろぎんウツミ屋証券 広島銀行 とウツミ屋証券の共同出資
ワイエム証券の共同出資) 山口FG、東海東京フィナンシャル・HDの共同出資
いよぎん証券 伊予銀行の完全子会社
西日本シティTT証券 西日本シティ銀行と東海東京フィナンシャル・HDの共同出資
ふくおか証券 福岡銀行グループ
池田泉州TT証券 池田泉州銀行、東海東京フィナンシャル・HDの共同出資

ホールセール専業証券会社

会社名 備考
新生証券 新生銀行グループ
あおぞら証券 あおぞら銀行グループ
しんきん証券 しんきん中金グループ
日本相互証券 公社債の流通市場の育成強化のために設立
みらい證券 日本アジア投資株式会社の100%子会社
セントラル短資証券 セントラル投資グループ
ジェイ・ボンド東短証券 東短グループ
ICAP東短証券 東京短資グループ
SBIジャパンネクスト証券 SBIホールディングス PTS(私設取引システム)の運営
エンサイドットコム証券 日本国債の電子取引サービスを提供
上田八木証券 上田八木グループ
オリックス・ホールセール証券 オリックスグループ

投資銀行業務系証券会社

会社名 備考
キャタリスト証券 グリーンシート制度の主幹事、投資を含むベンチャー企業支援業務全般
日本クラウド証券 クラウドファンディングに特化、元、ディー・ブレイン証券
フィリップ証券 フィリップキャピタルグループ
三田証券 不動産、保険の取り扱いも

外資系証券会社

■日本法人のある外資系証券会社

証券会社
アメリカ ゴールドマン・サックス、クレディ・スイス、バークレイズ・キャピタル
JPモルガン、シティーグループ証券、モルガン・スタンレーMUFG
メリルリンチ、インタラクティブ・ブローカーズ
ドイツ ドイツ証券

■日本支店のある外資系証券会社

証券会社
アメリカ ジェフリーズ証券、ブラックロック証券
イギリス RBS証券、HSBC証券
ドイツ ドレスナー・クラインオート証券
フランス クレディ・アグリコル証券、ソシエテ ジェネラル証券、BNPパリバ証券
スイス UBS証券
カナダ RBCキャピタル・マーケッツ証券
オーストラリア マッコーリーキャピタル証券

証券会社スペックランキング

顧客預かり資産ランキング

順位 証券会社 預かり資産
1 野村證券 109兆5000億円
2 大和証券 54兆円
3 SMBC日興証券 42兆円
4 みずほ証券 38兆円
5 三菱UFJモルガンスタンレー証券 33兆円
6 SBI証券 9兆円
7 東海東京証券 4兆8000億円
8 岡三証券 4兆2000億円
9 SMBCフレンド証券 4兆円
10 マネックス証券 3兆7000億円
11 楽天証券 3兆5000億円
12 松井証券 2兆2000億円
13 丸三証券 2兆1000億円
14 カブドットコム証券 2兆円
15 岩井コスモ証券 2兆円
16 いちよし証券 1兆9000億円
17 東洋証券 1兆2000億円
18 水戸証券 1兆円
19 藍澤証券 9000億円
20 GMOクリック証券 5000億円

営業収益ランキング

■日本の証券会社

順位 証券会社 営業利益
1 野村ホールディングス 1兆8,138億円
2 大和証券グループ本社 6,428億円
3 三菱UFJ証券ホールディングス 4,877億円
4 みずほ証券 3,677億円
5 SMBC日興証券 3,517億円
6 岡三証券グループ 1,013億円
7 東海東京フィナンシャル・ホールディングス 905億円
8 SBI証券 742億円
9 SMBCフレンド証券 577億円
10 マネックスグループ 547億円
11 楽天証券 457億円
12 松井証券 398億円
13 いちよし証券 252億円
14 岩井コスモホールディングス 239億円
15 カブドットコム証券 233億円
16 丸三証券 231億円
17 GMOクリックホールディングス 166億円
18 藍澤證券 160億円
19 東洋証券 160億円
20 水戸証券 157億円
21 極東証券 139億円

■外資系証券会社

順位 証券会社 営業利益
1 モルガン・スタンレーMUFG証券 1,062億円
2 ドイツ証券 779億円
3 ゴールドマン・サックス証券 777億円
4 バークレーズ証券 571億円
5 メリルリンチ日本証券 526億円
6 JPモルガン証券 520億円
7 シティグループ証券 480億円
8 クレディ・スイス証券 375億円
9 BNPパリバ証券 398億円
10 UBS証券 230億円



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