金融緩和でなぜ株価は上がるのか?

【著者】 児山 将



■ポイント
・金融緩和とは市場に出回るお金の量を増やすこと
・金融緩和で上がる株と上がらない株がある

そもそも金融緩和とは

2013年4月と2014年10月に日本銀行は金融緩和を行いました。
その度に黒田バズーカと名付けられるほどに、日経平均株価は大きく上昇しました。

黒田バズーカ

金融緩和とは、世の中に出回るお金の量を増やすということです。
お金の量が増えると基本的にはインフレ(物価の上昇)になります。

日本銀行の使命は物価の安定であり、物価を安定させるためにはお金の流通量をコントロールする方法があります。なので、デフレが続く日本経済をどうにかするために、日銀は銀行が持っている国債を買い取って現金をわたす、金利を下げるなどの金融緩和を行います。

そうすると、個人も企業も安い金利でお金を借りることができます。銀行は企業に融資を行ったり、株式に投資をするなどしますので、世の中に出回るお金の量が増える(お金を使う人が増える)ことになります。

お金を使う人が増えると景気が良くなりますので、企業は安売りを行う必要はありません。これが物価の上昇に繋がります。安売りをする必要長いと、企業は利益が上がりますので、社員の給料やボーナスも増えることから、消費が拡大し、ますます景気が良くなります。
また、研究開発などの先行投資も増え、高級マンションや巨大な複合施設などの建設も増えるでしょう、外食や高級品も以前より売れるようになり、景気の指針といわれるタクシーの利用率も上がります。

このようにして、金融緩和を行うと物価が上昇し、景気が良くなると考えられます。

金融緩和で上がる株 上がらない株

では、金融緩和を行うとどんな株でも上がるのかといえば、そうではありません
上に書いたように、金利が下がりますので住宅ローンを組みやすくなったり、建設ラッシュが起きると考えられることから、建設・不動産株が上昇します。

銀行や金融機関は株式投資での運用が上手くいきやすいので、こちらも金融緩和の恩恵を大きく受ける業種です。

また、個人消費が活発になると予想されますので、小売業やサービス業が盛り上がりますし、旅行に行く人が増えると、テーマパークなどを運営するサービス業や海外旅行には欠かせない飛行機の稼働率が上がりますので空運業にも良い影響が起こります。
様々なものが日本中を動くことになりますので、物流に関連する企業は忙しくなります。

逆に、マザーズやジャスダックなどの振興市場に上場するベンチャー企業の株は上昇しづらくなります。
日本株はどうしても日経平均株価が重要視されます。などで金融緩和が発表されると、投資家は日経平均に組み入れられている225銘柄に投資資金を移動させ、より利益を得ようと考えるのです。

業種別では、まず電機、ガス、水道などの社会インフラを担っている企業です。
これらの企業は、景気が良くなったからといって電気の使用量が2倍になることは考えられないですし、日本人の多くがお風呂に2回入るということもありません。

また、薬を販売する会社も景気の良し悪しで病気は増えませんので、金融緩和からは遠い銘柄となっています。

これらの景気の良し悪しに関係なく需要がある銘柄をディフェンシブ銘柄といい、株価下落時にはこれらの銘柄が買われやすくなるといわれています。

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