TOB(株式公開買い付け)

【著者】 児山 将

株投資の専門用語の一つ、TOB(ティーオービー)とは何でしょうか? 保有する株がTOBの対象となると大きな影響があります。TOBの意味をしっかり頭に入れておきましょう。

TOBとは

TOB(ティーオービー)とは、株式公開買付という意味です。一企業の株式または自社株式を「買い取ります」と宣言することがTOBです。

TOBは証券取引所を介して行われる一般の株式売買と異なり、株を買います!と宣言した企業が直接既存の株主から株を買い取る方法です。

株を買付けたい企業は、たいてい「○○円で○○株数を○月○日までに買い取ります」と宣言します。それに応じる既存の株主はその企業に株を売却します。

買付株価はその時点の株価の数割増しの価格に設定されることがほとんどです。さもないと、株主は株を売りたいと思いません。数割増しの買い付け価格を設定することでTOBを成功させることができるのです。

一例を挙げると、2009年、パナソニックは三洋電機を対象としたTOBを行ないました。三洋電機の発行株式数の50.19%を買付け、TOBが成立した例があります。つまり、三洋電機はパナソニックの子会社となったわけですね。

これがTOBの概要となります。

TOBの目的とは

そもそもTOBが行なわれる目的は何でしょうか? 理由は主に2つに分類できます。

1.友好的TOB(合併が主な目的)
A社がB社と合併したいとき、TOBを活用してB会社の株を買付けます。当然事前にB会社の承諾を得ているので、このTOBは友好的TOBと言います。友好関係に基づいたTOBというわけですね。

2.敵対的TOB(買収が主な目的)
突然A社がB社の株を買い占めて経営権を握ろうとすること。これを敵対的TOBと言います。事前にB社の承諾はなく、友好関係に基づいたTOBではありません。戦略的に行なわれるTOBであり、一般に敵対的TOBと呼んでいます。

ちなみに、先に挙げたパナソニックの三洋電機株TOBの例ですが、友好的TOBに当ります。

TOBが個人投資家にもたらす影響とは

友好的にしろ敵対的にしろ、TOBによって買付される側の株は値上がりする傾向にあります。数割増しの株価でB社の株を買いますと宣言されていますので、B社の株を安いうちにかって高く売ろうという思惑が働くわけです。結果B社の株価は上昇することになります。

ただし、TOBの過程や結果によって株価は激しく動くことがありますので、株保有者は冷静に成行を見守る必要があります。また、TOB対象株をむやみに狙おうとすると痛い目にあうことがありますので、TOB宣言の後の対象となる株売買には十分気をつけたいところです。

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