東芝の株価は今後どうなる?

【著者】 児山 将

東芝株価

米国の原子力事業で数千億円規模の損失に達する恐れ

2016/12/29:更新
10月に書いた予想は、460円台まで上昇しあっさり達成となりました。
そんな時に、米国の原子力事業の子会社であるウェスチングハウスが買収したCB&I ストーン&ウェブスターの資産評価に関して、減損が最大で数千億円規模に達する可能性があると発表。17年3月期の業績見通し、1450億円の黒字(11/8公表)を大幅に下方修正せざるを得ず、赤字での着地の可能性も出てきました。

原発という問題から、投資家心理の不安を拭うことは簡単ではなさそうです。

また、自己資本は9月末時点で3600億円強ですが、同社株は特設注意市場銘柄のため公募増資は困難。

今後の目標株価は230円割れ』としたいと思います。

※2016/10/28:更新
東芝(6502)の株価は一時155円まで下落したものの、東芝メディカルをはじめとするグループ会社を売却し資金を調達し財務体質を改善へ。

GPIF(9.6億円)や某信託銀行(119億)などから損害賠償を訴えられているものの、主力であるフラッシュメモリの価格回復が想定を超え、さらに電力や半導体事業も好調。またボーナスも削減し、懐具合が急速に回復。
それとともに株価は回復した影響で、「訴えるより利食っちゃえば?」状態に。

2017年3月の決算予想は、売上高5兆1千億円。純利益1000億円の黒字と12~15ねんの利益を上回る予想も出てきています。

そうなると、株価は下がりませんよね。一時空売り比率が4倍となっていたことから、株不足で逆日歩が発生(1000株50円)。軟調な日経平均を尻目に、空売り勢が焼かれながら踏み上げられる展開に。

さらに、黒字転換するということで、来期には復配も期待されるということから、決算までじりじりと上昇する展開が続きそうです。
全能の神、ブラックロックの建値(恐らく300円台後半)も越えてきましたね。
(参考:社長辞任でも上昇!誰が東芝の株を買っているのか!?

東芝 週足チャート

東芝株価

■結論
筆者は2017年3月までに東芝の株価は400円台後半まで上昇すると予想します。
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12月7日、証券取引等監視委員会が金融庁に対して、東芝から73億7,350万円の課徴金を徴収するよう勧告しました。

これは不適切会計に関する課徴金ですが、同種の課徴金としては過去最高額となるそうです。
過去の事件を見てみると、2012年にはオリンパスが約1億9,000万円の課徴金納付命令を受けましたが、課徴金と罰金との調整を求める金融商品取引法に基づく措置があり、約1億7,000万円分を取り消され、最終的には2,000万円となった。

2005年に2000億円の粉飾決算を行ったカネボウは課徴金制度の成立前だったために、課徴金は課せられていません。

この課徴金に対して、東芝側はすでに84億円の引当金を計上しているため、決算への影響は少ないと見て良いでしょう。

これで、対金融庁との東芝のやりとりはひと通り終着したようです。

■東芝(6502)
東芝

チャートを見てみると、上は戻っても350円付近が重く下は275円で2回底打ちをしている状態。金融庁との問題が終わったかと思えば、今度は投資家との裁判があります。

集団訴訟に参加する人数や損害額が今のところ不明ですが、評論家の意見によると東芝側は特別損失として700億円計上する見込みだそうです。
これは投資家へ支払う和解金となるようですが、課徴金とは比べ物にならないほどの額であり、今後の決算に大きく影響してきます。これを今期に計上するとなれば、営業利益見込み500億円が吹き飛ぶ計算となります。

この集団訴訟の内容が明らかになるにつれ、東芝の株価はますます上昇しにくくなりそうです。
もう数カ月もすれば、直近の安値を割り込んでくるのではないでしょうか。

なにしろ、世界が誇る東芝で株主の数は39万人ほど。全く投資に縁のなかった管理人の父親ですら、『弟の子供が東芝で働いている』という理由で東芝の株を買っているくらいです。

今のところ12月7日に50人が同社と旧経営陣5人に総額約3億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしていますが、最終的には千人以上まで膨れ上がる見込みの様です。

まだまだ先が見込めそうにありません。

参考:東芝事件株主弁護団

アナリストの目標株価

さて、ここでアナリストと個人投資家の東芝の株価に対する見方を見ていきましょう。

まずは、カブドットコム証券にあるコンセンサスレーティングをみてみましょう。

東芝_コンセンサスレーティングレーティングは11月17日のものですが、意外にも中立が7名となっています。

悪材料出尽くしという見方でしょうか。

11月9日発行の三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレポートでは、目標株価は340円となっていました。それが、12日には300円に下方修正されました。

しかし、同社のシニアアナリストによる宮本武郎氏は11月27日発行のセクターレポートでは強気な意見。
その理由の1つとして、原子力事業の今期売上計画が6,600億円となっていることを挙げており、今後15年間で46基の新規受注を織り込んでいるといいます。

短期間で見ると買いたいとは思えないですが、かつてのオリンパスのように不適切会計問題が解決した後には優良企業へ生まれ変わっているかもしれませんね。

(これらのレポート情報は、カブドットコム証券に口座を持っていれば無料で読むことが可能です)

個人投資家の目標株価

では、個人投資家はどうでしょうか。

みんなの株式によると、理論株価は232円となっているものの、個人投資家予想は362円と上のチャートで見るレンジ上限となっております。

みんかぶ個人投資家予想

買いが871件と売り予想の5倍以上もあり、なんとなく希望株価のような気もしますが、意外に高くなっており驚きでした。

個人的には東芝には全く手を出す気がありませんが、東芝は日本を代表する家電大手です。オリンパスのようにこの苦難を乗り越えて、復活して欲しいですね!

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