銀行株の行方

【著者】 児山 将



1月29日、日銀のマイナス金利の導入により銀行の今後の運用収益悪化が懸念され、銀行株は軒並み売り込まれました。

■三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)
UFJ銀行

実際にはマイナス金利が適用となるのは12兆2560億円ほどですが、銀行の運用収益の大きな部分を占める国債の利回りが大きく低下し、しかも一時マイナス利回りにまで突入しより運用が困難となる状況になったためです。

■日本国債10年
日本国債

特に、貸出先に苦しむ地方銀行の株は大きく売り込まれ、鳥取銀行などはアベノミクスでの上昇を帳消しにし、リーマンショック後の安値に迫るほど下落しています。

■鳥取銀行(8383)
鳥取銀行

東証に上場している銀行株のETFも4割近く下落しました。

■東証銀行業株価指数連動型ETF(1615)
銀行ETF

国債での運用が困難になり、住宅ローンの金利は低下。保有株の価値は目減りし、預金金利を下げると預金が流出するという四重苦状態。
正直どうしようもないというところではないでしょうか。

それに加えて、欧州では再びギリシャの資金繰りの問題が出てきており、それに伴い同国の国債を多く保有するドイツ銀行の株価が急落。原油価格の長引く低迷によりロシアや英国をはじめとする石油メジャーの経営が悪化し、大リストラも行われているというなか、今後短期間で株価が上昇するとは考えられません。

もちろん、原油価格の下落は日本にとって有利なことは他ならず、過去2年来の安値に迫るドル円レートも輸入企業にとって有利な問題。
電気代やガソリン・輸入価格の低下により、個人消費は活性化し、中期的に見ればけして悪くなさそうです。

しかし、こと銀行株は今後の成長性が乏しくなったことにより、機関投資家や大手のファンドが買うことがなくなったのではないでしょうか。

こちら(日経平均大暴落!ここが絶好の買い場か第2のリーマンショックか)にも書きましたが、メガバンクの最大手であるUFJが400円を割り込みアベノミクス相場での上昇を帳消しにするまでこの相場は下げ止まらないのではないでしょうか。

もし、空売りをするのであればネット銀行やメガバンクよりもやはり地方銀行となるでしょう。恐らく、今後1年で数行は吸収・合併があるのではないかと見ています。

しかし、買収する方も中途半端な価格では買わないと思われますので、UFJや銀行ETFをベンチマークにしながら地方銀行の底打ちを待つのが良いのではないでしょうか。

・マイナス金利導入以降、大きく売られた地方銀行
宮崎銀行 (8393)、広島銀行 (8379)、佐賀銀行 (8395)、島根銀行 (7150)、山梨中央銀行 (8360)、富山銀行 (8365)、秋田銀行 (8343)、岩手銀行 (8345)

恐らく、近いうちに2015年の8月にあったような1日にNYダウが1,000ドルもの暴落するようなセリングクライマックスが来ると思われます。そういった買いポジションが全て一掃されるような下落がないと、この相場の底打ちではないと見込んでいます。

この荒れ相場の主役はやはり銀行株ですので、日経平均の動向は3メガバンクをみながらもう一段の下落に備えたいと思います。

日経平均大暴落!ここが絶好の買い場か第2のリーマンショックか

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